頭蓋内圧亢進時の髄液採取
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 06:51 UTC 版)
「脳脊髄液」の記事における「頭蓋内圧亢進時の髄液採取」の解説
脳圧亢進時では以下のような徴候が現れる。意識レベルの変化、クッシング反射(遅脈、高血圧、呼吸不整)、散瞳、対光反射の消失、片側性または両側性の外転神経麻痺、鬱血 乳頭、項部硬直、しゃっくり、嘔吐、除脳硬直などが見られる。細菌性髄膜炎などで髄液採取が必要なときは22Gの針を使い、マニトール1g/kg注射後30~60分以内で髄液採取を3~5ml程度ならば可能という意見もある。腰椎穿刺の最も重大な合併症は鉤ヘルニアおよび小脳ヘルニアである。しかし細菌性髄膜炎だけでも脳ヘルニアの危険率が6~8%ある。その機序は局所的あるいは広汎な大脳浮腫であるが水頭症、硬膜静脈洞、あるいは皮質静脈血栓も脳ヘルニアの原因となる。多くの論争があったが細菌性髄膜炎時の腰椎穿刺の脳ヘルニアで腰椎穿刺がどの程度脳ヘルニアに関与したかははっきりしない。 昏睡、局所神経徴候、乳頭浮腫、散大し反応不良な瞳孔、後頭蓋窩の占拠性病変の徴候(脳神経障害、小脳症状、失調性歩行)があれば脳ヘルニアのリスクを評価するために頭部CTを撮影したほうがよい。
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