音楽に対する影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 15:12 UTC 版)
「オセールのレミギウス」の記事における「音楽に対する影響」の解説
レミギウスの生きていた頃の教会の領域内での音楽はモノフォニーであり、これは12・13世紀になるまで変わらなかった。しかし、ポリフォニー興隆の基礎準備が、古代の哲学作品の考察・解釈とともに彼の生きた時代になされた。というのは、プラトンからマルティアヌス・カペッラまでの人物の手になる文献によって数学と音楽、そして後には韻文の間の哲学的関係が探求されていたのである。初期中世の思想家はそれらの作品を様々な方法で解釈したが、中でも(オセールのレミギウスのような)文法家は音楽の構造と韻文の構造の間の革新的な関係を発見した。音楽の数学に関する哲学的文献の文法学的釈義を通じてポリフォニー音楽の基礎が築かれ、3世紀ほど後のパリのノートルダムで結実を見ることになる。 フランスの典礼にローマ教会と大きく異なる口述的・音楽的伝統があったためにカロリング朝期のローマ教会が聖体拝領の普遍的な様式を構築することが困難だったことに言及しておくのは興味深い。当時音楽はローマで制度化されており、音楽に関する古代の哲学者の言明を文法家が解釈することが必要であった。
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