音声言語との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/14 08:41 UTC 版)
自然言語は全て口頭言語を持ち、従って音声言語を持つが、文字を持たない言語も少なくなく、従って文字言語を持たない言語もある。自然言語では通常文字言語は音声言語から派生するため、ふつう文字言語には対応する音声言語がある。文字言語しか持たない自然言語は基本的に存在しないが、口頭言語が死語になっても書かれたものは残るため、文字言語のみが言語資料として化石的に残っている言語も多い。一方人工言語では、例えばプログラミング言語のように音声言語がまったく存在しないものも多い。 文字言語は音声言語を基盤として二次的に派生する。しかし文字言語の構造は、単に音声言語の音韻論的体系が表記体系で表されたものと理解することは問題である。ただし実際には音声言語が文字言語に影響を与え、文字言語が逆に音声言語にも影響を与えるといった不即不離の関係にある。 中近世の覇者の側の価値観では、文字を持たない、すなわち文字言語を持たないことは文明が未発展だと看做され侵略等の正当化の一つとされることがしばしば起こった。文字言語を持たなかった民族にアイヌなどがいる。 音声言語はふつう口から発せられ、時々刻々と消えていく。このため話し手と聞き手がコミュニケーションの場を共有する直接的伝達に用いられることが多い。これに対して文字言語は筆記用具などの伝達道具を必要とし、またある程度の期間保存されるため、時間的にも距離的にも隔たった相手との間接的伝達を可能にする。文字言語のこうした性質のため、書記言語は論理的に練り上げる必要が出てくる。 音声言語において行われる強調や大声は、文字言語では傍点を付したり、括弧を用いたりする。また疑問文の尻上がり音調は疑問符を用いる必要がある。とぎれとぎれの発言はリーダー(……)やダッシュ(——)で表される。
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