韓国における身土不二運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 22:06 UTC 版)
「身土不二」の記事における「韓国における身土不二運動」の解説
1989年に韓国農協中央会会長ハン・ソホンが、日本の有機農業の草分けである荷見武敬の『協同組合地域社会への道』(家の光協会)を韓国で翻訳する際に「身土不二」(신토불이)の語を知り、感動して国産品愛好運動のスローガンに使用した。しかし、韓国での反日感情から「韓国の国民運動に日本のスローガンを使うとは何事か!」と批判をうけたため、調査の結果『廬山蓮宗寶鑑』が発見され「中国仏典の教え。中国の伝統」として紹介された。 日本の農協と異なり、事業別にわかれていない巨大組織である韓国農協では農協中央がすべてを一括して運営しており、そのような組織が「身土不二」をスローガンとするや、マスコミや学校教育などで宣伝され、一大ブームとなり、韓国国産野菜の消費が大々的に奨励された。1990年から2003年の野菜年間消費量では、韓国の消費量は世界平均や日本の消費量をはるかに上回っている。韓国農協では国産品(韓国産)の野菜のみの販売を原則としており、さらにハナロクラブとハナロマートという大規模な店舗チェーンを運営している。 この韓国での動きが1990年代半ばに日本に紹介され、身土不二が日本でも一般にも知られるようになった。同時に身土不二は「中国の伝統」「韓国の伝統」など様々な語源説が広まる契機となった。しかし、韓国から日本に輸入されたというのは誤解であり、実際は身土不二の思想はハン・ソホンによる荷見武敬の著作の翻訳を通じて日本から韓国へ輸入されたものであると山下惣一は指摘している。 現在も「身土不二」は韓国農協のスローガンである。
※この「韓国における身土不二運動」の解説は、「身土不二」の解説の一部です。
「韓国における身土不二運動」を含む「身土不二」の記事については、「身土不二」の概要を参照ください。
- 韓国における身土不二運動のページへのリンク