非圧縮音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:45 UTC 版)
「音声ファイルフォーマット」の記事における「非圧縮音声」の解説
PCM形式の非圧縮音声については、WindowsではWAV、Mac OS ではAIFFに格納されることが標準的である。WAVは柔軟なファイルフォーマットであり、非圧縮/圧縮を問わず、任意のサンプリング周波数とビットレートの音声を格納できる。一方でPDM形式の非圧縮音声はDSDIFFやDSFなどの形式で格納される。詳細はDSDを参照。 WAV - 主にMicrosoft Windowsで使われている標準音声ファイルフォーマット。基本的にはリニアPCMが格納される。ただし他コーデックを格納することも可能である。ファイル内の構造は RIFFを踏襲している。これはIFFフォーマットに似ている。 AIFF - アップルの標準音声ファイルフォーマット。言うなればMacintoshにとってのWAVである。 BWF (Broadcast Wave Format) - 欧州放送連合がWAVの後継として策定した標準音声フォーマットである。BWFではファイルにメタデータを含めることができる。詳しくは、European Broadcasting Union: Specification of the Broadcast Wave Format - A format for audio data files in broadcasting. EBU Technical document 3285, July 1997 を参照。このフォーマットは録音時のフォーマットとして、テレビや映画業界で使われる多くのオーディオワークステーションで採用されている。SMPTEタイムコードをファイルに含めることができるため、別に録画された画像と同期をとるのが容易である。 可逆圧縮を伴うフォーマットでは、録音や再生の際に余分な処理が必要となるが、大量の録音をする場合にはストレージ容量の節約という点で効率的と言える。WAV(正確にはリニアPCM)などの非圧縮形式は、録音対象が複雑な音楽でも全くの静寂であっても、単位時間当たりに同じ量のビットを記録する。例えば、オーケストラの演奏のような複数の音が混じる場合でも、全く音がしない状況でも、非圧縮の場合、単位時間当たりのファイルサイズは同じである。同じものを可逆圧縮方式であるTTAで符号化した場合、前者のファイルはある程度小さくなり、後者のファイルはほとんどゼロに近いサイズになるだろう。しかし、音声データをTTAで符号化するには、非圧縮(何も処理をしない)よりも処理時間がかかる。
※この「非圧縮音声」の解説は、「音声ファイルフォーマット」の解説の一部です。
「非圧縮音声」を含む「音声ファイルフォーマット」の記事については、「音声ファイルフォーマット」の概要を参照ください。
- 非圧縮音声のページへのリンク