非可換の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 04:55 UTC 版)
補題は非可換単位的環 R 上の右加群に対しても成り立つ。結果の定理は ジャコブソン-東屋の定理 (Jacobson–Azumaya theorem) と呼ばれることもある。 J(R) を R のジャコブソン根基とする。U が環 R 上の右加群で I が R の右イデアルであれば、UI を ui の形の元のすべての(有限)和が成す集合と定義する。UI は U の部分加群である。 V が U の極大部分加群であれば、U/V は単純加群である。なので UJ(R) は J(R) の定義と U/V が単純であるという事実によって V の部分集合である。したがって、U が少なくとも1つの(真の)極大部分加群を含めば、UJ(R) は U の真の部分加群である。しかしながら、これは R 上の任意の加群 U に対しては成り立つとは限らない、というのも U がどの極大部分加群を含まないこともあるからだ。U がネーター加群であれば、自然にこれは成り立つ。R がネーター環であり U が有限生成であれば、U は R 上のネーター加群であり、結論が成り立つ。注目すべきなのはより弱い仮定、すなわち U が R-加群として有限生成(かつ R についての有限性の仮定はない)で結論を保証するのに十分であるということである。本質的にこれが中山の補題のステートメントである。 正確に言えば、 中山の補題: U を環 R 上の有限生成右加群とする。U が 0 でなければ、UJ(R) は U の真の部分加群である。
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