離散的な意味での故障率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/14 20:37 UTC 版)
故障率は、次のように定義される。 規定の条件下における特定の測定間隔の間に、あるアイテムの母集団内で起こった故障総数を、その集団が費やした合計時間で割ったもの。(MacDiarmid, et al.) 故障率 λ ( t ) {\displaystyle \lambda (t)} は、しばしば時間 t {\displaystyle t} 以前に故障がない場合に特定の間隔で故障が発生する確率と考えられがちだが、1を超えることもあるので実際には確率ではない。故障率を誤ってパーセント(%)で表現すると、特に修理可能なシステム、故障率一定型でないシステム、または動作時間が異なる複数のシステムについて測定する場合に、この尺度を正しく認識できない可能性がある。故障率 λ ( t ) {\displaystyle \lambda (t)} は、信頼性関数 R ( t ) = 1 − F ( t ) {\displaystyle R(t)=1-F(t)} (時刻 t {\displaystyle t} 以前に故障が発生しない確率。生存関数とも呼ばれる)を用いて次のように定義される。 λ ( t ) = f ( t ) R ( t ) {\displaystyle \lambda (t)={\frac {f(t)}{R(t)}}} , ここに f ( t ) {\displaystyle f(t)} は(最初の)故障までの時間分布(すなわち故障密度関数)である。 t 1 {\displaystyle t_{1}} (または t {\displaystyle t} )から t 2 {\displaystyle t_{2}} までの時間区間 Δ t {\displaystyle \Delta t} = ( t 2 − t 1 ) {\displaystyle (t_{2}-t_{1})} において、 λ ( t ) = R ( t 1 ) − R ( t 2 ) ( t 2 − t 1 ) ⋅ R ( t 1 ) = R ( t ) − R ( t + Δ t ) Δ t ⋅ R ( t ) {\displaystyle \lambda (t)={\frac {R(t_{1})-R(t_{2})}{(t_{2}-t_{1})\cdot R(t_{1})}}={\frac {R(t)-R(t+\Delta t)}{\Delta t\cdot R(t)}}\!} ただし、これは条件付き確率であり、時間 t {\displaystyle t} 以前に故障が発生していないことが条件である。そのため、分母には R ( t ) {\displaystyle R(t)} が含まれている。 ハザード率(後述)とROCOF(rate of occurrence of failures、故障発生率)は、しばしば故障率と同じものと誤解されることがある[要説明]。違いを明確にするならば、アイテムの修理が早ければ早いほど、またすぐに壊れるので、ROCOFは高くなる。しかし、ハザード率は、修復時間や物流遅延時間には依存しない。
※この「離散的な意味での故障率」の解説は、「故障率」の解説の一部です。
「離散的な意味での故障率」を含む「故障率」の記事については、「故障率」の概要を参照ください。
- 離散的な意味での故障率のページへのリンク