防衛機制の仕組みと定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 16:25 UTC 版)
防衛には自我が超自我に命令されて行うものと、自我それ自身が行うものとで分かれる。人間にはエス(イド)という心の深層があり、そのエス(イド)から来る欲動から自我が身を守ったり、それを上手く現実適応的に活用したりする方法が、防衛という形で現れる。防衛自体は自我の安定を保つ為に行われるので、健全な機能と言えるが、時にはそれは不快な感情や気分を人間に与えることもある。 ジークムント・フロイトにおける厳密な定義によれば、あらゆる欲動を自我が処理する方法が防衛である。よって人間は常に欲動を防衛している事になる。人間の文化的活動や創造的活動は全て欲動を防衛した結果であり、その変形に過ぎないとされている。しかし一般的には防衛は、自我(あるいは自己)が認識している、否認したい欲求や不快な欲求から身を守る手段として用いられると理解されている。 最初にフロイトが記述した防衛機制は「抑圧」である。アンナ・フロイトは主要な防衛機制として、退行、抑圧、反動形成、分裂、打ち消し、投影、取り入れ、自己への向き換え(自虐)、逆転、昇華の10種類を挙げている。またフロイトの弟子であるメラニー・クラインは、分裂、投影同一視、取り入れなどの原始的防衛機制の概念を発展させた。
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