防衛機制との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)
「境界性パーソナリティ障害」の記事における「防衛機制との関連」の解説
防衛機制とは、心の安定を図るために不快な体験を弱めたり避けたりしようとする心理機能であり、人が誰しも持つものである。不安が強くなるとこの防衛機制は強く働く。防衛機制自体は心の均衡を保つために必要な健全な機能であるが、この防衛機制によって不適応を起こしている場合は、本人の人生が阻害される。 精神分析では、これらの防衛機制がBPDの様々な症状を生み出すと考えている。中でも重要であり中心にある防衛機制は「分裂(splitting)」である。分裂は原始的防衛機制の中心的な存在であるが、同一の対象に肯定的、否定的な感情を同時に認識できないという分裂思考は、対人関係の障害だけでなく、自分に対しても自己同一性障害という形となって現れ、自己像の不安定さや、慢性的な虚無感、社会的機能の低下の原因となる。 カーンバーグは、パーソナリティ障害(全般)の人のよく用いる防衛機制として、分裂、投影、投影性同一視、否認、原始的理想化、万能感、脱価値化を挙げている。これらの防衛機制の極端な表れは、人生で起こりうるさまざまな問題に対する適応力の発達を妨げ、漠然とした不安感や抑うつ、衝動統制の困難さ、あるいは一過性の精神病症状をも招く。 詳細は「防衛機制」を参照
※この「防衛機制との関連」の解説は、「境界性パーソナリティ障害」の解説の一部です。
「防衛機制との関連」を含む「境界性パーソナリティ障害」の記事については、「境界性パーソナリティ障害」の概要を参照ください。
- 防衛機制との関連のページへのリンク