鍵盤と音域とは? わかりやすく解説

鍵盤と音域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:25 UTC 版)

チェンバロ」の記事における「鍵盤と音域」の解説

イタリアフランドルチェンバロ鍵盤は、現代ピアノ同じくナチュラル・キーが白ないし明る木材の色でシャープ・キーが黒いが、フランスでは逆にナチュラル・キーが黒くシャープ・キーが白い鍵盤好まれた。ドイツチェンバロモダン・チェンバロにも白黒逆転した配色鍵盤見られるチェンバロ鍵盤一般に現代ピアノ鍵盤よりも奥行きが短い。これは当時親指くぐらせない運指関係している。鍵の横幅イタリアフランドルチェンバロでは3オクターヴで約500mm程度現代ピアノに近いが、フランスチェンバロの鍵は横幅狭く18世紀フランス典型例は3オクターヴで約477mmである。 16世紀イタリアチェンバロはC/E-f3かC/E-c3(ショート・オクターヴ参照)の音域のものが一般的で、前者のほうが優勢であったその後17世紀には逆にC/E-c3が主流となる。これはC/E-f3の最高音域は元々通常の演奏には要求されず、演奏変化与えるために用いていたものが、後にその演奏習慣廃れたためと考えられる17世紀半ばから最低音GGのものが普及し18世紀には再び最高音がf3に達してFF,GG,AA-f3やGG,AA-f3のものが見られるようになったしかしながらC/E-c3のものも依然として製作された。エンハーモニック鍵盤呼ばれる異名同音弾き分けるための分割されたシャープ・キーを持つチェンバロは、特に16世紀から17世紀初期イタリアで多く作られた。 ルッカースの一段鍵盤チェンバロ音域は殆どがC/E-c3であるが、ショート・オクターヴではない半音階低音を持つものもわずかながら製作された。二段鍵盤楽器一般に鍵盤にC/E-f3、上鍵盤にC/E-c3の鍵盤有し、両鍵盤は最高音揃えられて同一の弦を共有している。したがって鍵盤に対して鍵盤ピッチ四度低い。より音域の広い、下鍵盤がGG-c3、上鍵盤F-f3で、同様に鍵盤を最高音揃えた二段鍵盤楽器作られた。この場合逆に鍵盤対し鍵盤ピッチ四度低い。 17世紀フランスチェンバロ音域はGG/BB-c3が一般的である。ショート・オクターヴによって欠け変化音のために、最低音域の鍵のいくつか前後分割したものもある。18世紀前半にはGG-e3やFF-e3が普及し1760年頃から18世紀末チェンバロ衰退に至るまでFF-f3がフランスチェンバロ標準となった後期楽器中には、おそらく視覚的なバランスを取るためにさらにEE加えたものもある。 18世紀イギリスのカークマンとシュディのチェンバロ音域FF,GG-f3が一般的であり、おそらく視覚的に左右対称にするためにFF#を欠いている。1780年以降通常通りFF#が含まれるようになった。カークマンの5オクターヴより広い音域楽器は、1772年のFF-c4の二段鍵盤楽器1台のみが知られるが、シュディはCC-f3の楽器定期的に製作し1765年から1782年までの日付を持つ12台が現存している。

※この「鍵盤と音域」の解説は、「チェンバロ」の解説の一部です。
「鍵盤と音域」を含む「チェンバロ」の記事については、「チェンバロ」の概要を参照ください。

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