鉄橋に関する負の部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 00:51 UTC 版)
旧橋梁が影響を及ぼした負の部分も存在した。 橋梁直下の地元住民は、列車通過時の騒音のほか、様々な落下物・飛来物に悩まされていた。例としてボルト・ナット・リベット・鉄粉などの鉄道部品、雨水・つらら・氷の塊・雪庇、ガラス・空き缶、列車便所からの糞尿、さらに自殺者もおり、また降ってくる線路・鉄橋の錆が車を傷めるなどの不安や苦労を抱えたまま生活していた。鉄橋には一時期まで小物の落下防止の金網はなく、対策用の転落防止柵も低かった。 列車の運行に関しても、冬場に列車が鉄橋を渡る際、開いていた窓から突風が吹き込み、閉じていた窓ガラスが内側から割れて落下する事例が何度もあったり、前述の列車転落事故やそれによる風速規制強化により、定時性が大きく低下して鉄道輸送の不安定さが目立つようになった(後述)。 橋を架け替えるにしても、その後の鉄橋について、橋脚・橋桁の残し方によって構造的な不安があること、新・旧橋梁が並列に建設された場合における風や振動による悪影響の発生、後世にわたる高額な維持管理費の負担などの可能性があると懸念された。 これらの要因から、地元住民の中には鉄橋を「負の遺産」と考える者もおり、橋梁直下にある浜自治会の意向としては「新橋梁への架け替え」と「旧橋梁の全面撤去」を希望する意見に傾倒していた時期もあった。
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