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野古墳群

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野古墳群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 15:06 UTC 版)

野古墳群
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成(1987年撮影)
所在地 岐阜県揖斐郡大野町大字野
形状 古墳群
規模 1km四方
出土品 埴輪、刀、銅鏡、馬具、鏃、木器
陪塚 7号墳(5号墳の陪塚)
築造時期 5世紀中葉~6世紀初頭
史跡 国の史跡「野古墳群」
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野古墳群(のこふんぐん)は、岐阜県揖斐郡大野町にある古墳群。5世紀 - 6世紀の古墳という。

約1平方キロメートルの地域に中・小型の古墳が集中している。そのうち14基は1957年昭和32年)、国の史跡に指定されている。

概要

濃尾平野の西北縁に所在する。周囲は、水田・柿畑になっている。

かつては28基以上の古墳があったという。古い絵図にその姿が記されており、10号墳から17号墳が地中レーダー探査によって確認されている。14基が国の史跡「野古墳群」に指定されている。

現存するのは1号墳から9号墳の9基であり、このうち1号墳から6号墳には名称がある。

以下のデータは、岐阜県や大野町のサイトなどよりまとめた表である。

名称 写真     墳形 規模 概要
1号墳
モタレ古墳
前方後円墳 主軸全長54m
直径36m
高さ6m
以前は円墳とされていたが、1989年平成元年)の調査で周濠が確認され、前方後円墳とされている。その調査の際に周濠からは円筒埴輪や朝顔型埴輪の破片、須恵器、鋤と見られる木器が出土した。
2号墳
不動塚古墳
前方後円墳 主軸全長64m
後円部の直径44m
後円部の高さ7m
前方部の長さ18m
前方部の先端幅11m
高さ1m
1989年(平成元年)の調査で周濠から円筒埴輪の破片が出土した。前方部はかなり削られており、低くなっている。
3号墳
南屋敷西古墳
(出口塚古墳)
前方後円墳 主軸全長76m
後円部の直径54m
後円部の高さ5.4m
前方部の先端幅26m
高さ4m
1982年昭和57年)の発掘調査では、周濠と外濠が発見され、墳丘や周濠から円筒埴輪の破片が出土し、築造時期が5世紀後半と推察された。
4号墳
登越古墳
前方後円墳 主軸全長83m
後円部の直径52m
後円部の高さ7.3m
前方部の先端幅33m
高さ6m
野古墳群で最大の古墳。墳丘や周濠から円筒埴輪の破片が出土した。
5号墳
南出口古墳
(城塚古墳)
前方後円墳 主軸全長75m
後円部の直径39m
後円部の高さ6.2m
前方部の先端幅28m
高さ5m
明治2年)に後円部竪穴式石室から鍍金七乳線彫式獣帯鏡(中国製の鏡、五島美術館所蔵)、馬具、大刀などが出土した。また、平成の調査では周濠から形象埴輪や須恵器が出土した。
6号墳
乾屋敷古墳
(不動庵塚古墳)
前方後円墳 主軸全長79m
後円部の直径49m
後円部の高さ6.3m
前方部の先端幅20.3m
高さ4m
野古墳群で最初に築造されたと考えられている古墳。南半分が削平されてしまっている。後円部墳丘上に不動院が建立されている為、「不動庵塚」とも呼ばれる。後円部に不動院がある事、周囲が住宅街であることなどから発掘調査は行われていないが、墳丘から円筒埴輪片が採取された。
7号墳 帆立貝形古墳 主軸全長29m
後円部の直径22.6m
円部の高さ4.2m
3号墳の陪塚。円墳と考えられていたが、1983年(昭和58年)に主体部と周壕の確認調査が行われ[1]帆立貝形古墳であることが判明した[2]。墳丘から円筒埴輪や朝顔型埴輪、石室からは須恵器、管玉、鉄鏃などが出土した。
8号墳 方墳 辺長15.8m
高さ3m
1994年(平成6年)の調査で大きさと墳形が確定した。
9号墳 前方後円墳 主軸全長30.5m
後円部の直径23m
後円部の高さ約6m
周濠から円筒埴輪片、須恵器片が出土した。1994年(平成6年)の調査では、以前円墳と考えられていたものが前方後円墳と判明した。

主な出土物

など

所在地

  • 岐阜県揖斐郡大野町野

脚注

  1. ^ 岐阜県サイトより
  2. ^ 大野厚志「野古墳群」 文化庁文化財保護部史跡研究会監修『図説 日本の史跡 第2巻 原始2』同朋舎出版 1991年 161ページ

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