部分的な結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 20:26 UTC 版)
特殊な場合については多くのことが詳細に知られている。全ての有限群は複素数体 C {\displaystyle \mathbb {C} } 上の1変数代数関数体上実現可能であることが知られている。より一般に、標数零の任意の代数的閉体上の1変数代数関数体でも知られている。イゴール・シャハレビッチは、全ての有限可解群は Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上実現可能であることを示した。マシュー群(英語版) M23 を除く全ての散在型単純群(英語版)は Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上実現可能であることも知られている。 ダフィット・ヒルベルトは、この問題が G に対する有理性の問題と関係することを示した: K を Q {\displaystyle \mathbb {Q} } の任意の拡大体とし、K に G が 自己同形群(英語版) として作用し、不変体(英語版) KG が Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上有理的ならば、G は Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上実現可能である。 ここで、有理的とは Q {\displaystyle \mathbb {Q} } の 純超越 拡大体であること、すなわち代数的に独立な(英語版) 集合によって Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上生成されているという意味である。この判定法を用いることで、例えば全ての対称群が実現可能であることを示せる。 この問題に関して詳細な研究が多くなされているが一般的には解かれていない。いくつかは射影直線のガロア被覆(英語版)として幾何学的に G を構成する方法に基づいている。代数的な言葉で言えば、不定元 t の 有理関数体 Q ( t ) {\displaystyle \mathbb {Q} (t)} の拡大体をまず考えることに相当する。この拡大体が得られれば、ヒルベルトの既約性定理(英語版) によりガロア群を保つように t を特殊化できる。 次数が16以下の全ての置換群は、 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上実現可能であることが知られている。 次数が17の群 PSL(2,16):2 については知られていない。 PSL(2,25) (位数 7800) よりも小さい、全ての13個の非可換単純群については、 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } 上実現可能であることが知られている。
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