有理性の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 15:30 UTC 版)
有理性の問題は、有理多様体の上の函数体が(同型を除いて)存在するかという意味で、与えられた体の拡大が有理的がどうかを問うている。また、そのような体の拡大は超越的(transcendental)として記述される。さらに詳しくは、有理性の問題は体の拡大 K ⊂ L {\displaystyle K\subset L} は、 L {\displaystyle L} が超越次数(transcendence degree)により与えられた変数で K {\displaystyle K} 上の有理函数体に同型かを問うている。 この問題は複数の変数の問題であり、体 K {\displaystyle K} と L {\displaystyle L} を構成する方法があるかどうかを問うことから発生する。 例えば、 K {\displaystyle K} を体として、 { y 1 , … , y n } {\displaystyle \{y_{1},\dots ,y_{n}\}} を K 上の変数とし、L をそれらにより生成された K 上の体とする。K 上のこれらの変数シンボルを置換する有限群 G {\displaystyle G} を考える。標準的なガロア理論によって、この群作用の固定点の集合は L {\displaystyle L} の部分体となり、典型的には L G {\displaystyle L^{G}} と書く。 K ⊂ L G {\displaystyle K\subset L^{G}} の有理性の問題はネターの問題(Noether's problem)と言い、固定点が K の純粋に超越拡大か否かを問うている。 ガロア理論についての論文(Noether 1918)で、ネター(Noether)は、与えられたガロア群をもつ方程式のパラメータ化の問題を研究し、「ネターの問題」へと帰結させた。(彼女が最初に言及したのは、(Noether 1913)であり、そこでは、E. フィッシャー(E. Fischer)の問題へ帰着させていた)彼女は、これが n = 2, 3, 4 の場合、正しいことを示した。R. G. Swan (1969) は、ネターの問題の反例を n = 47 で G が位数 47 の巡回群の場合に見つけた。
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