有理数の表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:35 UTC 版)
最も基本的な分数の概念は、自然数あるいは整数から構成されるものである。正の整数 m に対し 1/m のように分子が 1 である分数を単位分数(たんいぶんすう、英: unit fraction)という。これは 1 を m 等分した数量、言い換えれば m 倍したものが 1 となる数を表す。 分母、分子ともに整数であるような分数として表せる数を有理数という。このとき、整数は分母を1とする分数として得られるため、整数もまた有理数であることがわかる。有理数である分数は、有限小数か循環小数のいずれかの小数として表すことができる。 正の整数 m, n について、分数 n/m を考えることができる。分数 n/m は割り算 n ÷ m の商、あるいは単位分数 1/m の n 倍の数と捉えることができる。また、n : m の比を持つ2つの数量のうち、m に相当する数量の大きさを 1 とした場合、他方の n に相当する数量の大きさは n/m となる。この事実から、分数 n/m で表わされる数のことを指し、2つの数 n, m の比と表現することがある。 分数 n/m と単位分数 1/m はどちらも同じ算術の規則に従い、現在ではどちらかを特別視することはない。しかし歴史的には、古代エジプトにおいて単位分数は基本的な量と考えられており、エジプトの数学者はさまざまな分数を異なる単位分数の和として表していた。その計算の一部はリンド数学パピルスなどに残されている。この事実に因み、単位分数の和をエジプト式分数と呼ぶことがある。
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