部分停止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/13 02:29 UTC 版)
「ピカリング原子力発電所」の記事における「部分停止」の解説
1997年12月31日にピカリングAの4基の原子炉が停止されたが、オンタリオ・ハイドロはこれらを待機状態に置くことにし、緊急停止装置のアップグレード作業も中止した。カナダ原子力安全委員会(英語版)は、発電所の緊急停止装置のアップデートを遅らせるというオンタリオ・ハイドロの決定に対して、再稼働の際には当局の承認が必要であると通告した。 オンタリオ・ハイドロは再稼働を決定したものの、大きく遅延して大幅なコスト超過に見舞われた。 オンタリオ州首相マイク・ハリスは、元連邦エネルギー相のジェイク・エップに対して、ピカリング原発の再稼働に関する問題についての調査・提言を求めた。エップは遅延の責任は劣悪な経営層にあるとし、巨額のコスト超過が発生すると指摘した。エップは原子炉の再稼働に30~40億カナダドルが必要であると推定した上で、プロジェクトの継続を支持した。 2003年の選挙でダルトン・マクガインティ政権が発足したが、ピカリングAを直ちに再稼働しようとすることはなかった。 2003年12月16日になって、州政府はオンタリオ・パワー・ジェネレーション調査委員会にオンタリオ・パワー・ジェネレーションの組織構造とピカリングAの再稼働について調査するよう指示した。委員会には、委員長として元連邦財務相のジョン・マンレイ、スコシアバンクの元頭取ピーター・ゴドソー、ジェイク・エップが参加していた。 調査委員会は2004年3月18日に報告書を提出し、劣悪な管理体制がコスト超過を招いたと批判した。報告書では、ピカリングAの再稼働については、1号機から3号機まで順に起動することを提言した。また、2号機・3号機の再稼働は「OPGが1号機の再稼働に成功するかどうかによる」と指摘した。 反核団体シエラ・クラブ・カナダは調査委員会にエネルギーおよび環境問題の専門家が含まれていなかったと指摘し、核技術に関する問題に責任を負えるようなものではないと批判した。 1号機の改修プロジェクトを受けて、経営層の人員やプロジェクト管理戦略に数々の変更が加えられた。ピカリングA 1号機は4号機と大きく異なっており、はるかに厳しい工程と予算の中での作業を強いられた。結局、1号機は2005年11月に運用に復帰し、オンタリオ州の電力網に542MWの供給能力が加わることになった。 2005年8月には、OPGの取締役会が2号機・3号機の改修には素材の劣化により技術的・コスト的リスクが伴うことから、改修を行わないと発表した。
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