遺伝情報の発現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 14:59 UTC 版)
「セントラルドグマ」の記事における「遺伝情報の発現」の解説
真核生物におけるセントラルドグマの過程は次のとおりである。まず、RNAポリメラーゼIIの働きにより、DNAの遺伝情報はmRNAに転写される。次に、mRNAが核膜の孔を通って核から細胞質基質に出ると、細胞質基質中のリボソームに結合する。リボソームにおいては、アミノ酸を運んできたtRNAが、mRNAの3つずつの塩基配列(コドン)に対応して結合し、運ばれてきたアミノ酸が繋がってペプチドを作る。RNAからタンパク質を作ることを翻訳と呼ぶ。この、DNAからタンパク質が出来る流れの概念がセントラルドグマである。 通常、遺伝情報はこのようにDNAからタンパク質に一方的に伝達され発現するのであるが、例外がある。RNAを遺伝子としているウイルスの一部(レトロウイルス)は、宿主細胞内でRNAをDNAに変換するセントラルドグマの逆反応を行う。その後に、セントラルドグマに従ってDNAからRNAの転写を経てタンパク質へ翻訳され、ウイルスが作成される。
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