遺伝子プールに含まれる遺伝的多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 02:07 UTC 版)
「遺伝子プール」の記事における「遺伝子プールに含まれる遺伝的多様性」の解説
遺伝子プールに含まれる遺伝子を無作為に取り出し、組み合わせることによって多様な遺伝子型を持った個体が誕生することになる。 例えば、ヒト (2n=46) の常染色体と同じ数の常染色体22組44本の各染色体に1遺伝子座のみを持つ生物(合計22遺伝子座)を仮定する。この生物では各染色体それぞれは独立に次世代に遺伝することから、その染色体上の遺伝子座も独立に遺伝する。ここでさらに、各遺伝子座が3種類の対立遺伝子を持つと仮定する。その場合、各遺伝子座について3種類の対立遺伝子から作られる遺伝子型は、AA,AB,AC,BB,BC,CCのように6種類となる。これが各遺伝子座(染色体)で独立に遺伝することから、仮定した遺伝子座総体の遺伝型の総数は、 6 22 = 131 , 621 , 703 , 842 , 267 , 136 > 1.3 × 10 17 {\displaystyle 6^{22}=131,621,703,842,267,136>1.3\times 10^{17}} となる。 このような22遺伝子座のみ生物のモデルにおいても莫大な数値を示すが、ヒトの遺伝子座数は 2万以上と言われており、遺伝子プールに含まれる遺伝子型の多様性は天文学的数値になる。実際の人口は約65億人 = 6.5 × 10 9 {\displaystyle =6.5\times 10^{9}} (2006年)であり、完全に同じ遺伝子構成を持った個人は世界のどこにも存在しないし、過去にも存在しなかった確率が極めて高い(ただし一卵性の双生児は例外であり、同一の遺伝子構成をもつ)。
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