選択体系機能理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 07:02 UTC 版)
「M・A・K・ハリデー」の記事における「選択体系機能理論」の解説
ハリデーは従来の言語理論を形式主義として批判し、それに対する機能主義的な言語理論を構築した。 ハリデーによれば言語は意味の体系であり、言語学は意味をどのような形式で具現するかを探求するものである。意味を経験的意味・対人関係的意味・論理的意味・テクスト形成的意味に分けるが、従来はひとつの文がひとつの機能しか持たないと考えられていたのに対し、ハリデーは複数の意味が重層的な機能を持つと考えた。 ハリデーはテクストを重視し、またテクストと実際の状況を結びつけるものとしてコンテクストを重視する。テクストは単に文が集ったものではなく、あるコンテクストで何らかの働きをする(=機能的)言語のことであり、構造ではなく意味によってできている。文はテクストという意味的単位を実現するものである。状況のコンテクストはフィールド(談話が扱う事柄)・テナー(談話の参加者)・モード(談話の関与者が言語に何を期待するか)に分けられ、各コンテクストは異なる機能を通して表現される。 テクストにまとまり(話の筋道)を与えるものを結束作用と呼ぶ。結束作用には文法的結束作用(指示・代用・省略・接続)と語彙的結束作用がある。ハリデーによれば文法と語彙は言語の同じ階層に属し、両者は明確に分けられないものである。
※この「選択体系機能理論」の解説は、「M・A・K・ハリデー」の解説の一部です。
「選択体系機能理論」を含む「M・A・K・ハリデー」の記事については、「M・A・K・ハリデー」の概要を参照ください。
- 選択体系機能理論のページへのリンク