逸話・制作における工夫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 15:43 UTC 版)
本作品の制作には16年の歳月を必要とした。日本の移り変わる四季や、季節毎に大きく異なる湿度といった、コントロールできない自然環境は、こうした長期的かつ野外での制作では大きな困難となった。実際に、2003年の8月には、台風により制作途中であった粘土壁約7トンが崩壊してしまうこととなった。原因としては、日本の夏・梅雨特有の非常に高い湿度によって粘土がうまく乾燥しなかったことや、台風によりテントが一部崩壊してしまい作品を適切に管理できなくなってしまったことが考えられる。一方冬期には、厳しい乾燥状態により、粘土壁が過剰に乾燥しひび割れを生んでしまうという問題があった。廃品として捨てられるような布団を自主回収し、制作時以外の時はこうした布団を被せることで、過度な乾燥を防ぐなどの工夫が行われた。この粘土壁の工程では、粘土を1ブロック20kgに分割し、それを順に積み上げ、叩くことで結合させ形作ったという。焼成時の爆発を防ぐために、1ブロック毎に土練りを行い、生粘土内の余分な空気を取り除く作業を行った。窯作りの際には、積み上げたレンガの耐久性・耐火性、そして効率の良い焼成を実現するため、レンガの間をその都度モルタルで埋め、水平を取りながらレンガが積み上げられた。
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