近年の噴火活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:03 UTC 版)
「硫黄島 (鹿児島県)」の記事における「近年の噴火活動」の解説
1999年から2004年まで毎年噴火が起きていた。 火口内部では非常に活発な噴気活動が観察されている。噴気の温度は800℃を超えるものがあり噴気孔の赤熱現象が見られる。山頂は噴気によって視界も悪く高濃度の二酸化硫黄のためにガスマスクが必要である。山腹でも100℃前後の噴気が多数観察されている。硫黄岳の噴気の特徴としては硫黄分に富み、二酸化炭素に乏しいことがあげられる。1988年1月18日には4回にわたって噴煙が観測された。1990年頃は硫黄岳山頂火口内の縁部に近い火口斜面に高温噴気孔が分布していたが、1994 年以降は、火口縁部よりも中心部の火口底における噴気活動が活発化した。1996年10月にはジェット音を放つ新火孔が火口底に形成されていることが目視で確認された。火口底の火孔はその後も拡大を続け、1998年7月の観測時には火口底部の火孔は30メートル程度に拡大し、火山ガスと火山灰が間欠的に放出されているのが確認された。2001年7月中旬ごろから、硫黄岳の火口からは多量の白色の火山灰が放出されるようになり、2001年の7月と9月の火口縁における観察では爆発音が聞かれた。8月13日には顕著な火山灰の放出を伴う噴火が発生したが、その際に火口から3キロメートル離れた観測点でも明瞭な空気振動パルスが観測され、80g/m2の降灰も認められた。2001 年11 月には火口の縁において地震動と空気振動の同時観測が行われ、爆発音や継続時間が数分から10分程度の空気振動と地震動が観測された。1994年に確認された硫黄岳の山頂火口内の火孔は、この時点では約100メートルに拡大しており、そこから多量の白色の火山灰を放出していた。2001年の測定では山頂火口内の火孔は160×110メートル、2003年の測定では190×130メートルにもなり、南側への拡大が顕著になっている。 2013年(平成25年)6月3日から5日にかけて硫黄岳山頂で極めて小規模な噴火が発生。2019年(令和元年)11月2日17時35分、小規模な噴火が発生。これに伴って気象庁は噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。
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