近代の用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:08 UTC 版)
ポチョムキン村という表現は、後のソビエト連邦政府が外国人を欺こうとした試みのことを指す時に使われることもある。政府は、すでに社会主義に親近感を抱いている外国人訪問者らに対して、特別に用意した村落・工場・学校・商店などに案内し、幸せそうな労働者や学生の姿を見せ、これが例外ではなく普通のソ連の姿であると示そうとした。外国人のソ連国内移動には厳しい制約があり、こうした外国人訪問者らが当局に案内される以外の工場や村落の姿を見ることは不可能であった。 「ポチョムキン村」の例には、例えばナチス・ドイツが国際赤十字などに公開したテレージエンシュタット・ゲットーもある。赤十字の視察前に美化工事をされたこのゲットーは、実際には劣悪な衛生状態や栄養不足に悩まされ罹病率も高く、絶滅収容所へ行くまでの「通過収容所」として機能していた。朝鮮半島では、板門店や軍事境界線の北の開城市の手前に、整った団地や高さ100mを超える国旗掲揚塔などを望むことができる。これは機井洞(キジョンドン)という村で、別名を「平和の村」といい朝鮮民主主義人民共和国による農村政策の成功を示すものだが、実態は「宣伝村」であり住民はいないとされる[要出典]。 外国人観光客や視察団が訪れる際に、模範的な施設や集落だけを見せたり、人目に着くところだけを美しく整備するような実例には枚挙にいとまがない。
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