軌道と計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/18 07:43 UTC 版)
「ソーラー・プローブ・プラス」の記事における「軌道と計画」の解説
ソーラープローブミッションと呼ばれていた初期の概念設計では木星を使った減速スイングバイが使われる計画だったが、軌道変更方法をよりシンプルにすることになり、パーカー・ソーラー・プローブでは金星で複数回の減速スイングバイを行って軌道の近点を減少させていき、ほぼ8.5太陽半径の軌道(600万km)で複数回の接近が行えるように設計された。 本機は、その探査目的から太陽にかなり接近する必要があり、稼動環境は極めて苛酷なものとなる。探査軌道における太陽光の入射強度は地球軌道のおおよそ520倍強く、防護のため耐熱シールドを備えている。この炭素繊維強化炭素複合材料製の耐熱シールドは探査機の正面に設置され、摂氏約1400度に耐えられる。探査機システムおよび観測機器は太陽光の直射を受けないように耐熱シールドの影になる箇所に設置される。電源には二組一対の太陽電池アレイが使われる。第1太陽電池アレイは太陽から0.25 AU以遠で使われ、太陽に近づいている間は耐熱シールドの後ろに格納される、近接時はより小さな第2アレイが電力を提供する。この第2アレイには運用温度を維持するためにポンプで冷却用の流体が流される。 探査機が太陽に最接近する際の速度は200km/sに達する。これは人類の作った物体が到達した速度として最速となり、現時点で最速のヘリオス2号の約3倍に達する。
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