しつりょう‐モルのうど〔シツリヤウ‐〕【質量モル濃度】
濃度
(質量モル濃度 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/14 02:15 UTC 版)
後者に従えば「質量モル濃度」と訳されているMolarityは「濃度」ではない[注 1][注 2]。しかし、MolarityやMolalityにそれぞれ「質量モル濃度」等「~濃度」以外の訳語は見られない[注 3]。
計量法における規定
「濃度」は、計量法体系における根本的概念である89種の「物象の状態の量」(おおまかには物理量と考えてよい。)の一つであり、濃度の法定計量単位は次のように、18種に限られている。このうちSI単位であるものは最初のモル毎立方メートル、キログラム毎立方メートル、グラム毎立方メートル の3種だけであり、それ以外の15種は非SI単位である(リットルは非SI単位である。ただしSIと併用できる)。
分類 | 計量単位(SI単位) | 計量単位(非SI単位) |
---|---|---|
いわゆるSIに係る単位 | モル毎立方メートル キログラム毎立方メートル[注 4] グラム毎立方メートル[注 5] | モル毎リットル グラム毎リットル[注 6] |
SI単位のある量についての非SI単位 | 質量百分率 質量千分率 質量百万分率 質量十億分率 質量一兆分率 質量千兆分率 体積百分率 体積千分率 体積百万分率 体積十億分率 体積一兆分率 体積千兆分率 ピーエッチ |
上記の18種以外の様々な濃度の計量単位は、すべて非法定計量単位であり、取引・証明に用いることは禁止されている(取引・証明に用いると50万円以下の罰金がある(計量法第173条第1号)[2])。
なお、規定度(計量法上は、規定)は、1997年10月1日以降は非法定計量単位となったので、取引・証明に用いることは禁止されている。
IUPACによる濃度の定義に基づく分類
国際純正応用化学連合(IUPAC)は明らかに先のJISの立場であり IUPACが発行しているGold Bookでは次の四つの量、質量濃度(mass concentration)、量濃度(amount concentration)、体積濃度(volume concentration)、数濃度(number concentration)のグループのことであり、これは混合物の組成の特徴を表す量であると定義している[3]。また、concentrationは、amount (of substance) concentrationの略としても使われるとしている[注 7]。この立場では、Molalityは日本では「質量モル濃度」と訳されているが"concentration"ではない。
質量濃度
質量濃度
濃度に関係するその他の単位
質量モル濃度
質量モル濃度
比体積
比体積
質量分率
質量分率
濃度と濃度に関係するその他の単位の要約
SI基本単位の内、物質量、体積、質量に関係する商である9つの量の要約
[5] | Quantity in numerator (分数の)分子の量 |
|||||||||||
Amount of substance 物質量* Symbol 記号: ![]() |
質量モル濃度 (英語: molality)
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「濃度」の記事における「質量モル濃度 (英語: molality)」の解説
上項と同じ単位を用いながら、その内容の示す所は異なる。沸点上昇や凝固点降下の計算に用いられる。単位は溶質の物質量÷溶媒の質量つまり、mol/kgを用いる。 定義は単位溶媒質量あたりの溶質の物質量。溶液全体に占める物質量でないことに注意されたい。この記事の例では、32 gのメタノールが1.0 molであり、考える溶媒は 100 − 32 g = 68 g となるから、1.0 mol/68 g = 14.7 mol/kgとなる。
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