賞金100万ドル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 04:11 UTC 版)
アメリカにあるクレイ数学研究所 (CMI) はポアンカレ予想をミレニアム懸賞問題の一つに指定し、証明した者に100万ドル(約1億円)の賞金を与えると発表している。ここでペレルマンが本賞を受賞するのかどうかが一部の関心を呼んでいた。彼は賞金を受け取る条件である「査読つき専門雑誌への掲載」をしておらず、コーネル大学(サーストンが在籍していた)の運営している科学系論文投稿サイトarXivに投稿したのみであり、また彼の証明はあくまでも要領を発表したに過ぎないという説もあった。 この件に関し、CMI代表のジェームズ・カールソンは次のように述べている[いつ?][どこ?]。 CMIの規定では受賞資格者は必ずしも専門誌に掲載された論文の直接的な執筆者に限られるわけではない。ペレルマンが変則的な発表手段を採り、arXivへの掲載のみに留めて専門誌に投稿していないというそのこと自体は、彼が受賞する上での障害とはならない。CMIは、いずれにしてもあらゆる素材を吟味して証明の成否を判定し、しかるのち初めて授賞を検討するようである。 2010年3月18日、クレイ数学研究所はペレルマンへのミレニアム賞授賞を発表した。これに関してペレルマンは以前、同賞を「受けるかどうかは、授賞を伝えられてから考える」と述べていたが、結局授賞式には出席しなかった。研究所の所長は「選択を尊重する」と声明を発表し、賞金と賞品は保管されるという。 2010年7月1日、ペレルマンは賞金の受け取りを最終的に断ったと報じられた。断った理由は複数あり、数学界の決定には不公平があることに対する異議や、ポアンカレ予想の解決に貢献したリチャード・S・ハミルトンに対する評価が十分ではないことなどを挙げている。さらに、このことについて本人は「理由はいろいろある」と答えた。
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