賓客接受基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:13 UTC 版)
賓客のランクに応じてあらかじめ内規で定められた応接の基準を賓客接受基準という。賓客接受基準では案内する応接室や応接に当たる人(階級)など接受の中身を細かく定める。 日本の外務省における海外要人の待遇の場合、日本政府が滞在費用(対象者の宿泊滞在・国内移動・通信・警護費用等)を負担する公式訪問と、訪問者がすべての経費を負担する非公式訪問の2つに分かれる。さらに公式訪問の場合は後述する5つに分かれる。これらの計画、調整は外務省儀典官室が行なっており、その長である儀典長は「首席接伴員」として日程に同行することになっている。国賓の接遇については、外務大臣が宮内庁長官と連絡の上、その請議により閣議において決定する。公賓および公式実務訪問賓客の接遇については、外務大臣が閣議了解を経て決定する。 日本における公賓および公式実務訪問賓客対象宿泊歓迎式典とお見送り天皇との会見又は引見宮中晩餐会・午餐会国賓国王・大統領・国家主席など 迎賓館(国内の他の宿泊施設を利用することもある) あり(歓迎式典での儀仗隊の栄誉礼および国歌演奏など) あり(天皇と皇后) 宮中晩餐会による接遇 公賓大統領、皇太子、王族、首相、副大統領など 迎賓館(国内の他の宿泊施設を利用することもある) あり あり(対象者が配偶者を同伴した場合、皇后も同席する) 午餐(昼食会) 公式実務訪問賓客国賓、公賓対象者で実務的用件での来日の場合 ホテルなど(厳重な警備が敷かれる) なし(ただし首相官邸等で栄誉礼及び儀仗が行われることがある) あり(対象者が配偶者を同伴した場合、皇后も同席する) 午餐(昼食会)が開かれていたが、2016年5月から中止 実務訪問賓客元首、首相、王族など ホテルなど なし(上に同じ) 案件による 原則としてなし 外務省賓客閣僚、主要国際機関の長など ホテル なし 原則としてなし 原則としてなし 一例として、アメリカ合衆国大統領は、1974年11月のジェラルド・R・フォード以降、バラク・オバマまで7人が来日し、ジョージ・W・ブッシュを除いて国賓としての来日が1回ある。2017年に就任したドナルド・トランプの同年11月の日米首脳会談への来日については「公式実務訪問賓客」の扱いであったが、2019年5月の来日の際は国賓としての扱いであり、アメリカ大統領としては7人目の国賓となった。
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