設計速度と制限速度の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/11 09:17 UTC 版)
「設計速度」の記事における「設計速度と制限速度の関係」の解説
道路の設計速度は、道路建設直後の初期制限速度の決定に使用されることがある。しかしながら、次のような理由で自動車を運転できる最高速度としては不十分な尺度である。 設計速度は、道路の建設すら行われる前に作られた、論理的な、あるいは実験的に測定された指標に過ぎない。 そもそも、設計速度は必ずしも道路の最大安全速度ではない。道路の設計速度の基準に安全性の要因がかなり大きく組み込まれることによって、天候等の条件が良ければ自動車は問題なく設計速度を超える速度で安全に走行することができる場合がある。 道路または区間の設計速度は、その最も条件の悪い部分の設計速度で、例えば、40キロメートル毎時(km/h)の設計速度の曲線さえなければ60 km/hの設計速度となる道路区間がある場合、区間全体の設計速度は40 km/hになる。実際には、道路はカーブ上で40 km/hの推奨速度を持ち、他の場所ではより高い安全な走行速度を持つ場合がある。 設計速度は法律で定められた制限速度の上限よりも高い可能性があるため、法律上設計速度を制限速度に指定することができない場合がある。 設計速度は、設計速度の基準が決定された時点、またはその前に存在していた車両と道路の性能に基づいている。車両および車道の技術は、一般的に時間が経つにつれて向上する。結果として、設計速度が決定されてから時間が経過すると、設計速度が最大安全速度を過小評価する可能性が高くなる。 制限速度の決定に設計速度を使用することは問題があると認識されており、道路構造から推定される設計速度が低いからと言って、恣意的にその地点の制限速度を低く設定することは、効果的でもなければ、適切なエンジニアリング手法でもないとされ、日本でもアメリカでも安全性を損なうことなく設計速度より速い速度で走行することができ、同様に制限速度も設計速度よりも高く設定することができる。 日本の設計速度については「道路構造令#設計速度」を参照
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