言語としての肌色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 06:14 UTC 版)
「肌色」とはここで述べている「人肌と同様の特定の色」という意味のほかに、多くの辞典類では大まかに「ヒトの肌の色」そのものを意味する場合や、器物などの「地肌の色」を指す場合もあるとされている。 人肌の色としての「肌色」は色彩を表す言語としては特殊な面があり、特定の色を指す場合でも人肌または人肌と密接に関わるものを意図した場合に使われている。例えば下着類や化粧品は肌色と呼ばれるものがある一方で、茶封筒などの人肌とは無関係のものに対して肌色に近い色が存在しても通常は肌色と呼称されず、薄橙や薄茶など別の表現が用いられるのが普通である。 しかしJIS慣用色名により肌色が特定の色として定められており、厳密に特定の色を表現する必要がある場合はその限りではない。色を利用する立場における既成の「肌色」は汎用性のある特定の色として利用されることがあり、かつては画材などにも用いられていた。 例えば、過去には市販の児童向けクレヨンや色鉛筆において、人を描くときのために16色程度の最低限のセットに含まれる色に「肌色」という呼称の色が含まれることが多かった。そのような使用できる画材色が極端に限られている状況下において電球色や月、木材のような微妙な色を表現するためには、あえて肌色をベースに描くことも貴重な手段となりうる。しかし肌のための色という言語上の固定観念は根強く、描画目的であっても肌以外のものに肌色を使うことを無意識に避ける者は少なくない。 表現としての「肌色が多い」という場合、これは素肌の露出が多い色気のあるもののことを示す。
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