複数警部補制について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 10:14 UTC 版)
基本的に一つの係・班で係長や主任を担うが、警視庁など大規模な組織編成の警察においては、一つの係・班に複数の指揮官を置く制度を採っており、巡査における巡査長の場合と似て、同じ警部補の中にもリーダー格となる人物を配置する必要が生じた。 よって現在では(警視庁の場合)「警視庁複数警部補制運用要綱」(平成15年2月3日通達甲(副監.総.企.管)第1号)の規定により、選任された警部補は他の警部補に対して指揮命令を下すことが出来る立場の役職としている。この警部補は責務の上昇に伴い、警部の給与等級である5号級が支給されるため、「5級職警部補」と呼称されるが、運用上では「統括警部補」等の通称で呼ばれている。5級職警部補の選任は、警部への昇任試験の際に2段階の合格ラインを設け、警部まで届かずとも2段目の合格ラインに達した成績の者に対して発令している。制服勤務の場合は、制服の右ポケット上端から5ミリメートル上部に金色の統括警部補章を着装しているため識別は容易。なお、北海道警察でも一部の警察署に統括警部補が置かれている。 また実務では警部階級にある者と同様の働きが期待されるが、警部に与えられる逮捕状請求権をはじめとした諸権限は有していない。 これは警部以上の警察官においては階級ごとの定員が厳密であるが故、広大地域を管轄する北海道警察・首都及び人口過密地域を管轄する警視庁という各地域事情に階級制度が追い付いておらず、現場における弾力的運用という事情によるものである。
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