補助的な治療薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 16:18 UTC 版)
下記は補助的に使用される薬剤である。 活性型ビタミンD3製剤 カルシウム摂取量が少ない日本では、重要な位置を占める薬物である。骨折抑制効果があるエルデカルシトール、アルファカルシドールが有名である。カルシトリオールは肝臓や腎臓における活性化の必要が無く、臓器障害を有する患者に用いられる。近年はフォレカルシトールといった強力な薬物も用いられる。マキサカルシトールは維持透析における2次性の副甲状腺機能亢進症で用いられる注射薬である。カルシウム製剤と併用は高カルシウム血症を引き起こすリスクがあるので注意が必要である。SERMやビスフォスフォネート系薬剤の治療効果を示した臨床研究では、基本的にビタミンD3製剤が併用されているデータが多いので、SERMやビスフォスフォネート系薬剤を使用する際には、ビタミンD3製剤を併用することが多い。また抗RANKL抗体製剤を使用する場合は、ビタミンD3製剤の併用が必須である。 カルシトニン製剤 カルシトニンとエルカトニンが知られている。日本では骨粗鬆症単独の治療としては認可されておらず、「骨粗鬆症に伴う疼痛緩和」の病名で認可されている。 ビタミンK2製剤 ビタミンK2製剤として、メナテトレノンが知られている。ビタミンKはオステオカルシンの合成に欠かせない。日本ではビタミンKを多く含む納豆の摂食量の多い地域で大腿骨の骨折が少ない事で注目された。 カルシウム製剤 サプリメントも含めると炭酸カルシウムや乳酸カルシウムなど、様々なカルシウム塩の製剤が市販されている。ただ日本の保険適用で、骨粗鬆症に利用できるカルシウム製剤は、リン酸水素カルシウムとL-アスパラギン酸カルシウムの2種類である。リン酸水素カルシウムは散剤で1日3 g摂取すればカルシウムを699 mg摂取できるが、L-アスパラギン酸カルシウムは錠剤で1日1.2 g摂取してもカルシウムは134.4 mgしか摂取ができない。ただしリンにはカルシウムの吸収阻害を起こす作用もあるため単純には比較できない。 フラボノイド系製剤 イプリフラボンが知られている。
※この「補助的な治療薬」の解説は、「骨粗鬆症」の解説の一部です。
「補助的な治療薬」を含む「骨粗鬆症」の記事については、「骨粗鬆症」の概要を参照ください。
- 補助的な治療薬のページへのリンク