被り方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 05:44 UTC 版)
一般用のベレーについて特に決まりはないが、軍隊などで使われるアーミーベレーは、斜めに被ってどちらか一方を立て、反対側を下げることが多く、バスクベレーでもその傾向がある。 制服の一部である制帽として着用する場合、立てた側や正面にベレーバッジと呼ばれる帽章を取り付けることが多い。被り方は、ベレーを制帽として制定している国により異なり、さらには同じ国においても組織(軍種等)・部署(兵科)、あるいは時代により異なる場合がある。フランス、スペイン、イタリアなどでは、向かって左側(着用者本人から見て右側)を立てる場合が多く、イギリスなどそれ以外の国では反対の向かって右側(着用者本人から見て左側)を立てる場合が多いとされる。同じフランス軍の中でも、海軍コマンドは1942年にイギリスで設立・養成された経緯から、ベレーをイギリス式に着用する。一方、かつてのソ連や社会主義諸国では水平に被って前を立てるアーミーベレーが採用され、ロシアなどに受け継がれている。こうした被り方に対応するため、丸型ではなく非対称形状をしていて、立てる側をあらかじめ決めて作られたものもある。 他に過去の特殊な例としては、ナチス政権下のドイツ国防軍で、戦車兵用の黒上下の服に合わせて採用された黒ベレーがある。これは正面中央に帽章をつけて正面全体を立て、後頭部に当たる背面全体を下げるという被り方で、内側に耐衝撃用の軟式ライナーを重ねて着用された(詳細は軍服_(ドイツ国防軍陸軍)#戦車兵の軍服を参照)。第二次世界大戦後は、ドイツ連邦軍ではイギリス式、国家人民軍ではソ連他社会主義国の方式に準じたかぶり方を採用した。
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