袋中とは? わかりやすく解説

たいちゅう 【袋中】


袋中

読み方:タイチュウ(taichuu)

分野 紀行

年代 江戸前期

作者 袋中


袋中

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 05:43 UTC 版)

袋中(たいちゅう、天文21年1月29日1552年2月23日)- 寛永16年1月21日1639年2月23日))は、江戸時代前期の浄土宗の学僧。陸奥国岩城の出身で、道号を弁蓮社入観(べんれんじゃにゅうかん)、法諱良定(りょうじょう)と号した。まだ見ぬ仏法を求めてに渡ることを企図し、渡明の便船を求めて琉球王国に滞在。滞在中に琉球での浄土宗布教に努めた。渡明の便船が見つからず帰国した後は、京都三条の檀王法林寺をはじめ多くの浄土寺院の創建や中興をおこなった。


注釈

  1. ^ 『新纂浄土宗大辞典』では「奥州菊多郡岩岡」(ママ)(岩ヶ岡村、現在のいわき市常磐岩ヶ岡町)とする。
  2. ^ 袋中上人の俗姓には諸説ある。『浄土伝燈総系譜』では「姓佐藤氏、奥州菊岡郡人、父名修理亮定衡」、『浄土本朝高僧伝』では「姓崿氏」となっている。『琉球神道記』1943年の巻末にある袋中良定上人伝では、『袋中上人絵詞伝』所載と上人の実兄である以八上人の伝記『以八上人行状記』所載が同一であることを以て、賀茂氏説を採っている。本記事もこの説を採った。
  3. ^ 「賢人と言うものは錐を袋中に入れておくようなもので、すぐに袋を破って先を出してくるものだ」という意味で、ことわざ「嚢中の錐」の原典。
  4. ^ 天台宗では、個々がお互いを完全に具えあい、しかも自在に融通しあっているその全運動こそが法界(時間を含む全宇宙)の姿だとし、一切は互いに具え円に融けあっていると説く。これを「円教」と呼ぶ。「円頓戒」とは円教の理念に基づき、僧俗を一貫する菩薩の戒法として創出された実践行のひとつで、その骨子は、仏の活きた万徳を直接仏から授かると言うもの。
  5. ^ のち、出羽国で再封。
  6. ^ 現在、福島県いわき市平にある涅槃山菩提院の前身。
  7. ^ 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「袋中上人と琉球 三 琉球での袋中上人」では皆川王子は誤りで、与川王子の可能性を指摘している。
  8. ^ 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月では、尚寧王が京都で袋中と再会した際に渡したとする説(「袋中上人と琉球 三 琉球での袋中上人」より)、薩摩の地から京都へ送ったとする説(「檀王法林寺の文化財 三」より)の2説を紹介している。
  9. ^ 本文記事の通り、袋中庵は京都市東山区五条橋6丁目にあったが、第二次世界大戦中の昭和19年(1944年)に戦時強制疎開で伽藍を失った。平成11年(1999年)京都市右京区花園円成寺町に花園御堂が建立され、現在はこちらに移転している。

出典

  1. ^ a b 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「檀王法林寺の歴史 二 檀王法林寺の開創」より。
  2. ^ a b c 『琉球神道記』1943年10月。巻末の袋中良定上人伝「二、上人の幼時及修行時代」より。
  3. ^ 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「袋中上人と琉球 一 渡明の決意」より。
  4. ^ 『琉球神道記』1943年10月。巻末の袋中良定上人伝「四、琉球時代」より。
  5. ^ a b 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「袋中上人と琉球 二 九州出航」より。
  6. ^ 『琉球神道記』1943年10月。巻末の袋中良定上人伝「九、上人の著書」より。
  7. ^ a b c 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「袋中上人と琉球 三 琉球での袋中上人」より。
  8. ^ 『古代文学講座11 霊異記・氏文・縁起』1995年6月。
  9. ^ 『琉球史料叢書 第1』1962年6月に所収。
  10. ^ a b 『檀王法林寺 袋中上人 - 琉球と京都の架け橋 -』2011年11月。「袋中上人と琉球 四 布教」より。
  11. ^ a b 『琉球神道記』1943年10月。巻末の袋中良定上人伝「五、京洛時代」より。
  12. ^ a b c d e f 『袋中上人絵詞伝』より。
  13. ^ 京都・檀王法林寺開創400年記念 琉球と袋中上人展 - エイサーの起源をたどる九州国立博物館、平成23年11月1日
  14. ^ 連載「鑑 文化芸術へのいざない」文化庁月報、平成23年10月号(No.517)


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