衛星搭載環境の緩和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 16:17 UTC 版)
「イプシロンロケット」の記事における「衛星搭載環境の緩和」の解説
イプシロンロケットで用いる第1段モーターのSRB-Aには燃焼振動が発生しており、これに起因する正弦波振動がペイロードに及ぼす影響を許容範囲に抑えるために、日本のロケットとしては初めて制振機構が開発され、衛星の真下に設けられている。制振機構には、適切な機軸方向の剛性と横方向の剛性を確保する必要があり、可動ノズル用フレキシブルジョイントとして実績のある技術を応用して、2重円筒構造を積層ゴムで結合する方式を採用し、剛性要求を満足する機構の開発を進めている。また、打ち上げ直後にロケットの噴射からの高音圧の音響が地面に反射し、ペイロードに影響を及ぼすため、火炎偏向板や新たに煙道を設けるといった射点周りの局所形状を見直し、液体ロケットレベルの外部音響環境の実現をめざしており、最終的にM-Vロケットに比べて騒音が10分の1以下にまで減少している。また、ペイロードを守るためのフェアリングは、製造時に半殻一体製造やシート貼付式断熱材が、運用面ではアクセスドアの閉め時間短縮や、打ち上げ後の回収が必要がなくなる水没式の技術が使用され新規に開発された。
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