行政上の秩序罰(刑法上の罰金との違い)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 10:33 UTC 版)
「罰金」の記事における「行政上の秩序罰(刑法上の罰金との違い)」の解説
行政罰のうち行政上の秩序の維持のために科される金銭的制裁は行政上の秩序罰に分類されるが、これは行政刑罰として科される罰金とは異なる。行政上の手続違反の際に課される過料などを俗に「罰金」と呼ぶことがある。しかし、過料、課徴金、過怠金、重加算税などは刑罰以外の行政制裁であり行政処分の一種である。行政上の秩序罰には刑事訴訟法は適用されない。 反社会性が強い行為に対しては行政刑罰、行政上の軽微な義務違反に対しては行政上の秩序罰が課されるが不統一が残存しているのではないかとの指摘もある。 行政上の秩序罰の例過料労働組合法32条(裁判所の緊急命令違反および出訴されずに確定した労働委員会の救済命令違反) 独占禁止法97条(未確定の審決違反) 加算税(重加算税) 課徴金独占禁止法上の課徴金 このほか行政制裁には間接国税等についての通告処分、道路交通法違反の反則金も含まれるが、これらは税金や反則金を支払わない場合に刑事手続に移行する特色がある。間接国税等についての通告処分や道路交通法上の反則金制度は行政犯の非刑罰的処理(ダイバージョン)を制度化した例と捉えることもできる。 また、道路交通法上の放置違反金(道路交通法51条の4)も行政上の秩序罰であるが、立法者意思によれば、裁判所ではなく都道府県公安委員会が科すこととしているので、過料とは異なる独自の制度となっている。 なお、普通地方公共団体、特別区、地方公共団体の組合は、法令に特別の定めがあるものを除き、条例上の義務違反に対して5万円以下の過料を定めることもできる(地方自治法14条3項)。
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