行列成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 15:16 UTC 版)
「ガウス=クズミン=ヴィルズィング作用素」の記事における「行列成分」の解説
関数 f(x) および g ( x ) = [ G f ] ( x ) {\displaystyle g(x)=[Gf](x)} に対し、x=1 でのテイラー展開を考える。すなわち f ( 1 − x ) = ∑ n = 0 ∞ ( − x ) n f ( n ) ( 1 ) n ! {\displaystyle f(1-x)=\sum _{n=0}^{\infty }(-x)^{n}{\frac {f^{(n)}(1)}{n!}}} とし、g(x) も同様の形式で表現する。ガウス=クズミン=ヴィルズィング作用素は x = 0 における性質が良くないため、この展開は x = 1 において行われている。したがって 1-x についての展開を扱う上で、正の 0 ≤ x ≤ 1 のみを考えることになる。このとき、ガウス=クズミン=ヴィルズィング作用素はテイラー係数の上で ( − 1 ) m g ( m ) ( 1 ) m ! = ∑ n = 0 ∞ G m n ( − 1 ) n f ( n ) ( 1 ) n ! , {\displaystyle (-1)^{m}{\frac {g^{(m)}(1)}{m!}}=\sum _{n=0}^{\infty }G_{mn}(-1)^{n}{\frac {f^{(n)}(1)}{n!}},} のように作用する。ここでその作用素の行列成分は G m n = ∑ k = 0 n ( − 1 ) k ( n k ) ( k + m + 1 m ) [ ζ ( k + m + 2 ) − 1 ] {\displaystyle G_{mn}=\sum _{k=0}^{n}(-1)^{k}{n \choose k}{k+m+1 \choose m}\left[\zeta (k+m+2)-1\right]} で与えられる。この作用素は大変よく構成されており、数値的に非常に扱いやすいものとなっている。ここで各成分は有限の有理ゼータ級数(英語版)であることに注意されたい。ガウス=クズミン定数は、行列の左上の n × n の部分を数値的に対角化することによって、容易に高精度で計算することが出来る。この作用素を対角化する閉形式表現は知られていない。すなわち、固有値あるいは固有ベクトルに対する閉形式表現は知られていないということである。
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