虫にちなむ表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 02:52 UTC 版)
古代~近世日本で存在が信じられた“人の体内に棲む虫”という考え方にもとづいた表現はすでに紹介したが他にも次のような表現も用いられている。 虫の息 瀕死の状態。呼吸が、小さな虫、生物のように小さく、頼りないことからの連想だが、実際の呼吸を示して使うわけではない。 悪い虫が付く 良くない人が親しくなること。 虫酸が走る 嫌悪感を抱くこと。 虫も殺さぬ おとなしく穏やかなこと。 飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし) 自ら危険、失敗に飛び込むこと。向日性の飛翔昆虫が、夜間の灯火に勝手に寄ってきて身を焦がし身を滅ぼすさまから。 蓼食う虫も好きずき 好みは人による、という感嘆の意味。蓼(タデ)の葉には独特のエグ味があり、それを嫌ってこの葉を食する虫はほとんどいないが、なかにはその風味を好む虫もいるということから。 一寸の虫にも五分の魂 小さくても、力や存在感があること。 苦虫を噛み潰したよう 苦々しいさま。「苦虫」は噛めば苦いであろうと思われる虫。 嫌な人という意味で使うこともある。 弱虫 気の弱い人。 泣き虫 涙もろい人。 点取り虫 学校の試験で、高得点を得る人を嫌って呼ぶ。 人格的な虫 動物的な意味合いに近いが、人間が持ちうる自己思考を放棄した周囲の思惑に流される人間の事を指す。 何かに熱中する人のことを「~の虫」と言うこともある。「本の虫」など。
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