蔵書印に似ているもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 02:32 UTC 版)
蔵書印に似ているものとして、製作者による落款印、受け入れ日付などを記した受入印、紙片として貼られる蔵書票などがある。以下、それぞれの概略とともに蔵書印との共通点、差異などを示す。 鑑蔵印 所蔵者を示して書籍に捺されるのが蔵書印であるのに対して、書画に捺されるのが鑑蔵印である。所蔵者ではない人が、鑑定または鑑賞をしたという宣言のために捺す印も鑑蔵印に含まれる。書籍への印と書画への印を区別せず合わせて蔵書印、蔵印、収蔵印ということもある。 受入印 図書館において、受入印(または登録印)は受け入れ年月日、本の登録番号などを記載することで本の管理を効果的に行うために捺される。一方、蔵書印は利用者に本の所属先が分かるようにするために用いられる。このように区別はあるものの両者の役割はかなり重複する。実際には業務効率化のため、館名と受け入れ年月日とを併記し、蔵書印と受入印を合わせた印に一本化する図書館も多い:88-89。 落款印、蔵版印、魁星印 落款印、蔵版印、魁星印はいずれも作者や出版者によって本または作品に捺される。一方、蔵書印は本の所有者に帰属する。 蔵書票 蔵書票は本の所有者を表示するための紙片であり、蔵書印と似た機能を果たす。蔵書票が紙片として貼り付けられるのに対して、蔵書印は本の紙面に直接捺される。蔵書票は西洋で発達し、蔵書印は東洋で発達した。蔵書印を捺した紙片が蔵書票として貼られることもある。 識語、伝領記 識語、伝領記は、古典籍の奥書などにおいて、印記ではなく筆記で所有や伝来の事実を書き残したものである。
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