蔭山の突然死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 17:15 UTC 版)
「南海蔭山新監督急死騒動」の記事における「蔭山の突然死」の解説
11月16日、蔭山は大阪市内で毎日新聞のインタビューに応じた後高石町の自宅に帰宅、翌0時過ぎにブランデーと精神安定剤を服用して就寝したが、午前3時頃に母・ミキ枝が応接間で倒れている蔭山を発見した。蔭山は近くの高石病院へ救急搬送されたが、その際に妻へ「野村(選手会長兼主将)に連絡してくれ」と言ったのが最後の言葉となった。蔭山はすでに衰弱しており、午前4時頃に心肺停止、心臓マッサージを行ったが蘇生せず、そのまま死去した(享年38)。病院は蔭山の死因を「急性副腎皮質不全」と診断し、最近のストレスが重なったものだろうと話した。家族の話では、蔭山は日本シリーズ終了後の11月6日から毎日2時間程度しか睡眠できず、精神安定剤を多量服用しており、亡くなる直前の数日は誰が見ても明らかにやつれていたという。蔭山は南海ホークス監督就任から僅か4日で死去、それも鶴岡が監督就任を発表する当日だっただけに、世間に衝撃を与えた。鶴岡は蔭山の訃報を聞き、予定していた上京を延期すると表明した。 蔭山の急死によって、南海は鶴岡の後任を再び選ばなくてはならなくなった。球団社長の新山は同日夕方に本社内で、「蔭山氏の球団葬が終わり次第、後任監督を決める。後任者はチーム内から選定する。鶴岡氏を呼び戻すつもりはいまのところ無い」と語り、鶴岡も「もう私は南海を離れたのだし、たとえ慰留されても残る気はない」と南海復帰を否定したが、チーム内からは鶴岡の監督復帰を望む声が日に日に高くなった。翌18日には、南海のコーチ陣と選手会長兼主将の野村と杉浦忠が相次いで鶴岡の自宅を訪ね、監督復帰を直接要請したが、鶴岡は「気持ちはありがたいが、無下に断れないし、かといって『はい、そうですか』とも言えない」と返事するだけにとどめた。野村はその足で新山の自宅を訪ね、「選手の総意」として鶴岡の監督復帰を要望する意志を伝えた。これを受け、球団も鶴岡に対し監督復帰を要請する方針を固めた。
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