落車事故からの復活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:39 UTC 版)
2006年3月29日、この日の優勝戦で伊藤は落車した。この際に左大腿骨を骨折するという重傷を負ってしまう。本人曰く「死を覚悟した」とまで言わしめたこの事故は凄惨なもので、この事故以降伊藤は療養生活に入ったが、その間もブログの更新を継続していた。しかし結局、伊藤はブログの更新を停止してしまう。 8月24日負傷の癒えた伊藤はレースに復帰した。復帰当初は精彩を欠いていたが、11月5日のSG第38回日本選手権オートレースでは、準決勝戦で不利とされる大外枠から好スタートを切り2着に食い込み優出。そして、最内からの好スタートで2着入線、惜しくも準優勝だったが復活の兆しを見せた。その後、苦手としていた川口オートレース場で初の優勝を飾ると俄然勢いを取り戻し、2007年2月12日のSG第20回全日本選抜オートレースで先の日本選手権の覇者である田中茂(26期、飯塚オートレース場所属)を持ち味の圧倒的なスピードで破り復活の優勝を飾った。しかし、復活後のさらなる事故により混戦での捌きに不安を抱え、持ち前のスピードにも陰りが見え、長らくグレードレースでの優勝から遠ざかった。伊藤は、2010年に4年振りとなるGIIでの優勝したものの、浜松オートレース場所属の鈴木圭一郎(32期、元船橋オートレース場所属)、佐藤貴也(29期)らの活躍に影を潜めることも多くなり、また長期にわたりグレードレースで優勝することができなくなった。 一方、S級選手として通常レース等においては勝利を着実に積み重ね、2020年5月12日に通算1000勝を達成した。そして、2020年8月15日の第24回SGオートレースグランプリ優勝戦に勝ち上がり、青山周平(31期、伊勢崎オートレース場所属、元船橋オートレース場所属)が10Mのスーパーハンデの中、伊藤と同じく度重なる怪我に苦しんだ有吉辰也(25期、飯塚オートレース場所属)とともに好スタートを決めデッドヒートの末、最後は「日本最速男」持ち前のスピードを発揮して後続を千切り、約13年ぶり5回目のSG制覇を成し遂げた。このSG優勝は、これまでの伊藤の苦労を知り復活を待ち望んでいたファンを大きな感動で包み込むものとなった。
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