落書きと社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 05:51 UTC 版)
現代ではグラフィティなどのような、美術様式化したものや行為自体が何等かのファッションスタイル化した物がある一方、便所の落書きに代表される雑多な物も見られる。 ただ公共施設や他人の家屋・店舗などに勝手にこれらを書き入れる行為は、器物損壊の範疇で扱われるため、決して褒められた行為ではなく、特に第三者を不快にさせる乱雑な物は、落書きという様式の暴力(→ヴァンダリズム)であると見なされる場合もある。 特に他人を誹謗・中傷する意図で攻撃的な文言を書き残した場合は、脅迫の範疇によって扱われる。和歌山毒物カレー事件では、容疑者として逮捕された夫婦宅が不特定多数によって落書きされ汚損されたが、これは刑法にいうところの器物損壊としてれっきとした犯罪行為であるとともに道徳的に見ても公共良俗を損なう行為である。 その一方で近年ではインターネットの普及によって、電子掲示板や個人・団体のウェブサイト上にも、様々な落書きがみられる。これらは他人を不快にさせない範疇に於いてはさほど問題視されないが、内容によっては荒らしの誹りを受けたり、特定個人・団体に対する中傷と受け取られる場合もある。中には訴訟事例に発展したケースもあり、市民権を得ている。海外では、中東における「アラブの春」、ベトナムではSNS投稿による逮捕・監禁事件などを通して、文字やカメラの画像ベースで多くの民衆へ瞬時に伝わる環境にある。 意図してそのようなモノを公開するのは論外と言えるが、他方では意図せずそうなってしまうケースもあるため、注意が必要であると共に、ネチケットなどによって、または掲示板管理者などにより、一定のガイドラインが示されている場合も見られる。
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