落し込み式(C梁)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 20:19 UTC 版)
太い両側材からなる主車体を高い位置に掲げ、両側材の間の空所に上方から貨物を落とし込み、主車体に抱えられるように積載する。幅の狭い貨物に向く。分割落とし込み式と呼ばれる形態では、この両側の梁を走り装置から分離することができるようになっており、搭載する貨物の側に梁を取り付けてから走り装置のところまで横移動させ、とりつけることで走行状態にすることができるので、積荷を吊り上げる必要がなくなる。なお、低床式では積載部を外せるものを「分割低床式」として梁を通常のものとAとDで分けてあるが、落とし込み式は分割の有無にかかわらず梁識別記号は「C」となる。 吊り掛け式に比べると、同じように低床式より積荷の高さが多く取れるほか、吊り掛け式と違い積荷自体の強度を要求されないという利点があるが、輸送することのできる貨物の幅に制限を受けるという欠点がある。英語ではwell hole carという。 また、自動車ではこの形式の採用が困難なため、低床式が大型トレーラーに置き替えられた後も使用され続けた。 なお、日本ではこの形式の車両が生まれるのが遅く昭和10年のシキ80形が第一号になるが、これ以前にこの形式の貨車が必要な大物輸送があった場合は材木車2両に積荷を支える棒をつけた後、積荷をそこに駕籠のようにぶら下げて運搬したり、九州地方の石炭車(セラ1形など)も落とし込み式同様に炭箱を台枠中央の空洞に落としこんでいるため、これの炭箱を外して使用していた。 これ以外に海上用ISOコンテナを2段積みする、アメリカのダブルスタックカーの下段となるコンテナを積載する構造は、落し込み式の大物車に類似する。
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