落ちのパターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 15:21 UTC 版)
この演目には原話となる噺がいくつかあり、江戸時代の笑話集にも収録されている。 安永4年(1775年)刊の『聞童子』収載の小噺「掛物」では、「七」は「質でござる」で落としている。天明7年(1787年)刊『新作落噺・徳治伝』 の「不筆」でも、「申し、あの掛物は、ロクでござりますか」に対し亭主の「いへ、あれはシチ(質)の流れを買いました」で下げている。一方、文化5年(1808年)刊の『玉尽一九ばなし』に収載された「品玉」では、質=七の字を分解し、「十一」(といち。質屋の別称)まで跳んでサゲている。 「七」で落とす場合は「質物」「質札」「七福神の宝船」「竹林の七賢人」「源頼朝の七騎落」等とさまざまに変化させる。 芭蕉の「句」は、もとは帰途に立ち寄る道具屋とのやり取りであったという。「ク(句)」で終わらせる場合には「軸ほめ」の異称がある。 この噺は、「七福神」の別称が存在する通り、こんにちでは多くの演者が「七福神」のかたちで落とす。七福神で締めれば、めでたい席向けの噺として好適なものとなる。芭蕉の句は誰でも知っており、サゲとして弱いばかりか、ロクで失敗した職人がもう一度同じ失敗をしたうえで「ハチですな」と語る設定は不自然で、屋上屋を架す観もあって冗漫だからである。
※この「落ちのパターン」の解説は、「一目上がり」の解説の一部です。
「落ちのパターン」を含む「一目上がり」の記事については、「一目上がり」の概要を参照ください。
- 落ちのパターンのページへのリンク