菌の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 07:20 UTC 版)
主に3種類の菌が分離されたという記述もみられるが、保管状態の良いサンプルを用いた詳細な研究の結果、乳酸菌であるラクトコッカス属 ラクティス サブスピーシーズ クレモリスと酢酸菌であるアセトバクター・オリエンタリスの2種類でこのヨーグルトの特性が保たれやすいことが分かっている。アセトバクター菌は、ヨーグルトの品質上の特徴にはほとんど影響しないが、家庭で繰り返して作る場合の安定化に寄与していると考えられる。 クレモリス菌は、生きて人間の腸内に届き、プロバイオティクスとして働くと考えられている。さらに、ヨーグルト特有の粘りを生み出す菌体外多糖(EPS:Exopolysaccharide)を産生することで、腸管内の状態に良い影響を与えているのではと考えられている。その他、整腸作用、ストレスによる肝機能の低下やアトピー性皮膚炎の抑制、免疫賦活作用、血中コレステロール値の改善、や血糖値上昇抑制作用など、様々な健康効果が報告されている。最近では、普段の食生活と体調との関連性を調べた疫学調査により、カスピ海ヨーグルトの摂取量が多いほど発熱や喉の痛みなどの風邪の症状が軽くなることが報告されている。また、インフルエンザの予防接種において抗体価を高める効果や、動物試験によりインフルエンザウイルス感染後の重症化が抑制されることも報告されている。
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