花子とのエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:22 UTC 版)
花子との出逢いの当時はまだ先妻と籍を入れたままであり、妻帯者の身での禁断の恋であった。花子との往復書簡(ラブレター)の文面にもその激情と葛藤が現れており、その数は出逢いから結婚までの半年間で70通以上に昇った。 2人を引き合わせた『モーセが修学せし國』の奥付には、発行人の名を挟んで「訳者 安中花子」「印刷人 村岡儆三」と2人の名前が並んでいる。その横には花子の自筆で「大正八年五月二十五日 魂の住家みいでし記念すべき日に 花子」と記されており、これは2人が初めてキスをかわした日付である。 結婚から10年以上を経た頃には、「妻は3歩下がって夫に従う」といわれた時代にあって、彼と花子は2人連れ添っての外出が多く、おしどり夫婦として評判であった。近所の人々は、当時周辺に出没していた浮浪者夫婦「おしゃれ乞食」を引き合いにだし、「この界隈で肩並べて歩くのは『おしゃれ乞食』と村岡さんのところぐらい」と噂していた。花子の文学業の多忙さには理解を示し、東芝で製作されたばかりの撹拌式洗濯機の購入、当時としては珍しかったオーブンの購入、台所の改修などで家事の軽減を図った。 英語、ドイツ語、ラテン語に通じ、キリスト教徒として聖書にも詳しいことから、夫としてのみならず、花子の翻訳家としての良き相談相手でもあった。
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