艦船や戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 03:38 UTC 版)
特に第二次世界大戦以前の戦闘艦艇は、千発単位もの砲弾及び装薬を搭載しており、この巨大な弾薬庫のコックオフは破局的な事態に直結した。日本海軍は陸奥、三笠、筑波、河内、防護巡洋艦松島などを事故で爆沈させており、これらの中には原因究明に到っていないがコックオフが疑われるものが少なくない。特に大口径で強力・多数の弾薬を搭載する戦艦等では弾薬庫をコックオフ防止のため冷却する設備を備えるようになった。大和型戦艦は軍部を含め当時の日本ではまだ普及していなかった冷房を備えていたが、これは弾薬庫冷却機能を副次利用したもので、他にもアイスクリーム製造に応用されたりもしたという。 コックオフは、破損または撃破された戦車の乗員にとって、深刻な危険である。軍艦よりはるかに小型の車体に冷凍機を積むような力技での解決は困難で、弾薬を水中に保管(湿式弾薬庫)したり、弾薬庫と乗員空間とを防護板で仕切って離隔したりすることが試みられた。M1エイブラムスのような戦車に用いられる、現在の技術では、コンパートメントを装甲し、内からの爆圧で天蓋等を吹き飛びやすくする(ブローオフ・パネル)ことで、爆発の力を車内から逃がして、「ジャック・イン・ザ・ボックス」効果を防ぐ。
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