艦船の設備として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 07:15 UTC 版)
ヨーロッパの軍用艦船では16世紀の末頃から、船舶一般でも17世紀には乗組員の寝床として広く普及し、特に軍艦の寝床として第二次世界大戦頃までは多く用いられた。 ハンモックが船舶内での寝床として便利だった理由は、ハンモックは船の左右の運動と同調して動くので、寝ている間に床に落ちたり、床の上を転がっていってしまう危険がないためである。特に帆船が主流だった時代には、帆船は風向きによっては船体が斜めに傾いたまま進むため、常に船内の床が左右のどちらかに傾いている時間が非常に多かった。このため、寝床の水平を保つために必要だった。またハンモックは就寝時間を除いては取り外したうえで格納されるため、軍艦内の限られたスペースで用いるうえでも有効であった。 しかし、近代的な蒸気走行の船が登場すると、船体は常に水平を保つようになり、ハンモックを使うメリットが減少してきた。そのため、次第に造り付けの寝台(ベッド)が主流となり、第二次世界大戦以降に建造された艦船には装備されなくなった。日本海軍の大和型戦艦では最初から3段ベッド式の寝台を備えている。
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