船舶用レーダー等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 19:23 UTC 版)
船舶が備える航海用レーダーには、Sバンド(3GHz/波長10cm)とXバンド(9GHz/波長3cm)の2種類のパルス・レーダーがある。 Sバンドは比較的探知距離が長いが分解能が低い。このため大型船では分解能は高いが雨天時の減衰や海面による乱反射による影響を受けやすいXバンド・レーダーを併用することで弱点を補う使い方している場合が多い。 レーダー・アンテナはアンテナ・マストなどの船の高い位置に取り付けられている。 大型船で船首部のシアー(船首の波除け形状)が高かったり、LNG船やコンテナ船で積荷が高く積まれて、前方手前がレーダー・アンテナから死角になる場合には、船体中央のアンテナ・マストとは別に船首部にレーダー・アンテナを備える船もある。 ほぼ同様の理由で後部に別のレーダー・アンテナを備える船もある。 ARPA 通常は、探知情報をレーダー・スクリーンにそのまま表示するだけだが、ARPA(Automatic Radar Plotting Aids)と呼ばれる装置によって探知対象を記憶することで運動方向や航跡を表示する機能が提供されるようになっている。 AIS ARPAに似た装置にAIS(Automatic Identification System、自動船舶識別装置)があり、半径15-42nm程度の距離で、船名、大きさ、位置、針路、船速等の情報を知らせあう。2002年からは大型外航船でのAISの取り付けが義務付けられた。
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