航空自衛隊の関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 21:44 UTC 版)
名古屋高等裁判所は2008年4月17日、自衛隊イラク派兵が日本国憲法違反であることの確認などを求めた訴訟(自衛隊イラク派兵差止訴訟)において航空自衛隊のイラクにおける空輸活動について「自らも武力を行使した」と認識し憲法違反であるとする傍論を含む判決を出した。これは主文において原告敗訴を判決するものであったにもかかわらず原告側が実質勝訴として上告しなかったため、翌月5月3日に同判決は確定した。 この裁判および「傍論」記述は議論を呼び、当時の航空幕僚長田母神俊雄による「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数はそんなの関係ねえという状況だ」の発言などが一種の舌禍事件として報道された。国会において田母神発言を含めた質問主意書が提出されたが、政府は、国側勝訴の判決と説明を加えた上で、日本国憲法第9条(第1項。戦争を放棄し国際紛争に武力を用いて関与しない)に違反するとの傍論の部分は「判決の結論を導くのに必要のない傍論にすぎず、政府としてこれに従う、従わないという問題は生じないと考え」ており、田母神の発言は「政府と同様のこのような認識に立った上で〔中略〕必ずしも正確な表現ではないが、自らの言葉でこのような発言をしたものと承知している。また、防衛行政については、シビリアン・コントロールの下、法令に基づき、適切に行われている。」と答弁している(自衛隊イラク派遣も参照)。防衛省が情報公開法に基づいて開示した「週間空輸実績」と称する内部資料によれば、派遣期間中の輸送人員は延べ28,000人であり、うち7割はアメリカ軍兵士であることが2009年10月6日に判明している。
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