航空における直行便
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/21 17:51 UTC 版)
航空路線の直行便(en:Non-stop flight)の場合には、一般には遠方に行く航路ではあるが、需要が多い区間で航空機の乗り換えをしないで(直通で)運行する場合を指す。また、直通便(en:Direct flight)とは二地点を同一便名で飛行する航空便のこと。直行便(Non-stop flight)と直通便(Direct flight)の定義が異なると混乱の原因になる。 例えば、冷戦時代における日本発の場合、羽田(のちに成田) - ロンドン線などのヨーロッパ航路の場合、旧ソビエト連邦がロシア領内を通過させなかった事から、アラスカ州のアンカレッジに寄港して北極海を経由する北回りヨーロッパ線か、東南アジア・中近東を経由する南回りヨーロッパ線という2種類の航路であったため、モスクワ経由の航路をこう呼んだ。また、就航当時は航続距離が短く、途中で燃料の補給が必要といった航空機の技術的な問題もあり、北米路線ではアンカレッジやホノルル経由であったが、機体やエンジンなどの改良で1980年代までには解決したため、ほぼ政治的な要因のみとなった。1990年代以降はロシア領内が通過可能になったため、成田空港発着のヨーロッパ航路や北米航路では無寄港の直行便が一般的となった。 なお、近年は旅行の多様化や国際貨物の発達で、旅客や貨物の目的地が、各国の首都や経済中心都市とは限らなくなり、「直行便」よりも乗り継ぎが経済合理性にあう面も見られ、また、ハブ空港を設定し、乗り継ぎによる路線多様化の維持をする例も多い。 現在では、直通便は一旦機内から出て待合室で待機することも多く、途中で機材が変わる場合もあるので、直通便とはいうものの、寄港地がある便の場合は、乗り継ぎをする場合と同様の手間がかかることも多い。
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