自然災害による収穫不足
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「2007年-2008年の世界食料価格危機」の記事における「自然災害による収穫不足」の解説
いくつかの地域では気候変動により穀物の収穫に異常を来たしている。その中でおそらく最も大きな影響を与えているのはオーストラリア、その中でも特に巨大な小麦とコメの穀倉地帯である肥沃なマレー川とダーリング川の流域で続いている旱魃である。旱魃が起きる前と比べてコメの年間生産量は98%も減少してしまった。オーストラリアは米国に続く世界第2位の小麦輸出国であり、豊作の時には2500万トンもの小麦を生産しており、主要な輸出品目であった。しかし、2006年の収穫は980万トンに過ぎなかった。2006年にカリフォルニア州のサンホアキン・バレーで起こり、数多くの家畜が死んだ熱波や、2008年のインドのケーララ州で起こり、穀物に損害を与えた集中豪雨も食料の価格に影響を与えている。科学者はこれらの災害のいくつかは予想されていた気候変動の影響と矛盾するものではないと述べている。 2008年5月にミャンマーを襲ったサイクロン・ナルギスの影響によりコメの価格が上昇した。ミャンマーはコメの輸出国であったが、 減産のため政府による価格調整が行われ、農家への奨励金は減額された。高潮のためエーヤワディ・デルタは30マイル(48km)にわたって水田が浸水し、塩害が懸念されている。FAOは2008年ミャンマーは60万トンのコメを輸出すると予想していたが、サイクロンの影響でミャンマー史上初めてコメを輸入せざるを得ないのではないかと危惧されており、それにより世界のコメ価格がさらに上昇するものとみられている。
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